乗り物酔い、ひどい吐き気やめまいで辛いですよね。
薬や漢方で治す方法の他に、生活習慣病の改善により
緩和することができます。
乗り物酔いが続く場合は、どうすれば良いのでしょうか…?
乗り物酔いとは?
体の傾きは、耳の中にある三半規管という器官で感じ、
その情報を眼球に伝えます。
しかし、三半規管が感じた情報と、眼球が実際に捉えた情報に
ズレがあると脳が混乱を起こし、吐き気やめまいを引き起こします。
これが乗り物酔いです。
専門的には動揺病と呼ばれます。
細かく言えば、まず三半規管の情報と眼球の情報に
齟齬が生じた場合、大脳の一部でそれが快か不快かが判断されます。
次に、不快と判断されたら自律神経が刺激され、
ストレスホルモンが分泌されるために
血圧の変動や胃の不規則な動きなどを引き起こします。
これが、乗り物酔いによる症状の原理です。
乗り物酔いと言えば車や船でなる人がほとんどですが、
遊園地のアトラクション、公園のブランコでも
乗り物酔いになる人もいます。
乗り物酔いは薬や漢方で治すことができるの?
遠足やバスツアーなどで、「乗り物酔いをする人は薬を
持ってきてください。」と言われることがありますね。
乗り物酔いを治す薬として一般的なのが、抗ヒスタミン剤です。
抗ヒスタミン剤は、自律神経の興奮を抑える効果がありますので
乗り物酔いをすぐに治すことが可能です。
また、漢方薬も乗り物酔いに有効なものがあります。
乗り物酔いに有効な漢方薬は、心身の緊張を和らげる抑肝散、
血の巡りを良くする通導散、ホルモンの動きを高める
八味地黄丸などの漢方を調合して作られます。
漢方の世界では、乗り物酔いは体内の余分な水が溜まり、
その水がぐらぐらと揺れることによって、不快感、
吐き気などを起こすと言われています。
ですので、余分な水を除き、血と気を巡らすことが
大切だとされています。
この余分な水とは、胃腸機能の低下によって溜まるので、
普段からの生活習慣の改善で乗り物酔いしやすい体質も
治すことができると言われています。
漢方薬が必要な場合でも、漢方薬専門の調剤師が
体質に合わせて漢方を調合してくれます。
その上、自然の成分だけで出来ていますので
薬に弱い方やアレルギーのある方に安心ですね。
普段の乗り物酔いの薬では吐き気を治すのが難しくなった、
市販の薬では副作用が不安という方は、
ぜひとも漢方専門の薬局で相談してみてください。
乗り物酔いが続く場合は要注意
もともと乗り物酔いするタイプだったけれども、最近は乗り物を
降りても乗り物酔いの症状が続いてしまう、
そんな人も実は少なくありません。
乗り物酔いが続く人を、専門用語で下船病といい、
特に東日本大震災の直後に余震が続いた状況下で
この症状が続く人が多く現れました。
また乗り物酔いだと思っていたら、実は脳に異常があったという人も
いますし、ただ単に車を買い換えてブレーキの感覚や
窓から見える景色が変わって乗り物酔いのような
症状が続いてしまったという人もいます。
実はこの乗り物酔いが長期間続く下船病に対し、
有効な治療法はまだ確立されていません。
喉の乾きを防ぐためにこまめに水分を取る、睡眠を充分に
取ることが今のところ一番有効な症状を和らげる方法です。
また、震災や事故により下船病が続く場合は
心的外傷後ストレス障害でもある可能性があるので
耳鼻咽頭科、めまい外科のあるクリニックを受診してください。